まず、昔やった私の暴露療法の環境の整え方をお話ししましょう。
仕事でもパニック発作が起こっていたので、何としても仕事を続ける為に、私にとって、発作対策の環境作りは、ごく自然な事であり、当たり前にやらなければならない事でした。
ですから、暴露療法の意識は無く、暴露療法を知る前から、発作対策の環境作りをしていました。
仕事を続けて、稼ぎ続けて、食い繋いで、生き続ける為だったので、必死に対策を考えて編み出して行きました。
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必死に、一生懸命考える処が、発作を克服していく為の肝心要です。
長くパニック障害をやっていると、
諦め、絶望、恐怖に襲われ続けているので、
本気になりにくいのです。
家族、友達、精神心理のプロなど、心の助けになる人に
お願いして、気力を湧かせて貰うなどのメンタルケアを
して貰うのも方法です。
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私が、鉄鉱石や原油等を運ぶ船、客船といった商船に装備される機械装置の技術者だった時、深い船底等の閉鎖空間に入らなければなりませんでした。
閉鎖空間は、パニック障害者にとっては、本当に天敵の様な場所です。
入る前から発作の気配が始まる時があったので、ホトホト困り果て、
「どうしようか」
と、よく悩んで考えたものです。
まず、出入口を数ヶ所確保しました。
バラストタンクという船体のバランスと海中への沈み具合を調整する多数のタンクや、パイプトランクという、船底の長大なスペースには、出入口があります。
私が相手をした船の多くは、全長100m以上あったので、結構時間を食いましたが、出入口の扉や蓋の位置と個数を確認しながら開けていきました。
暴露療法を準備する1点目は、
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発作克服と本当の安全の為の
逃げ口/安全の確保
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です。
次に、閉められる恐怖、予期不安もあったので、ロープ等で扉や蓋を縛りました。
更に、外国人が船員の船には英語で、日本人が船員の船には日本語で、
・社名
・氏名
・「今中に入っていて、閉めるな」との注意文言
を、大きな紙にプリントアウトしました。
その文字は裏表両面で、クリアファイルの中に入れて、紙が痛まない様にしました。
そのクリアファイルにヒモを着けて出入口に縛り付けました。
ホント、結構時間が食ったんですよね、この作業。
でも、実際に閉められかけた事もありましたから、準備は大切です。
まして、パニック障害なら、発作に襲われて冷静ではいられません。
ですから、普通の私生活や、仕事でもですが、徹底的に安心安全を確保する事は、パニック発作を乗り越える為、そして本当の身の安全を守る為、最重要課題です。
次に、当たり前と思われる安心安全を整える話をします。
仕事や私生活の中には、あなたや世間が当たり前にするべきと思う、安心安全な処置をしていない時、不安全をまかり通す時があります。
そういうケースにおいても、キッチリ安心安全を作り上げて下さい。
私の仕事場だった船や、ビルの工事現場でも、そういう不安全がまかり通ていた時代や職場がありました。
例えば、閉鎖空間の、塗装直後のシンナー充満、長期閉鎖後にすべき酸素濃度計測と換気です。
発作以前の命と健康の問題というのは、その辺にあるものです。
「何でこんな当たり前の安全を声高にイチイチやらなあかんねん!?」
何度も何度も腹が立って、怒り心頭でした。
不安全が当たり前で、不安全と気付かない人達は、普通にいます。
腹が立つ、悲しくなるなど、嫌な気持ちになるでしょうが、ご自身の為、他の人達の為にも、環境を整えるチャレンジだけはしてみて下さい。
安心安全を作り出せないならば、その不安全な環境で起こるパニック発作は、克服しなくても良いという選択や決断も生まれます。
パニック障害者が陥りやすい考えの中に、下の様なモノがあります。
● 発作は悪いモノだ
● 発作を起こす私は悪い
● 他の人達が出来ている事は私も出来なければならない
● どんな事でも発作は起こってはならない
とにかく、
● パニック障害/発作は悪い
● 発作は完璧に無くなるのが普通の人
● 皆と一緒
という考えに縛られやすいのです。
よく考えてみたら解るのですが、身の危険を感じたら、慌てふためく、我を忘れる、パニックなる、過呼吸になる、身体が動かなくなる、冷静になれない事は健常者でも誰でもあります。
また、消防署員、自衛隊員、警察官、海上保安省職員など、危険な職務についておられる方々は、究極の危険、恐怖に耐える素質を持ち、訓練を重ねてその素質を磨きに磨いています。
こういった危険と隣り合わせの仕事をしたいなら、恐怖と発作を克服しなければなりません。
しかし、するつもりが無いなら、恐怖心も発作も克服する必要はありませんよね❓
徹底して安心安全を貫く事によって、
「恐怖や、不安、絶望、そして発作を克服するに値するモノのか❓」
について、自分で考え、決め、行動できやすくなります。
● 発作は悪い
● 自分は悪い
● 皆と一緒
● 何でも出来ないとダメ
● 皆の常識/やってる事は正しい
こういった価値観から脱却しなければなりません。
何故なら、
● 健全に発作を克服する為
● あなたの心身の安全/健康の為
● 他人や集団の考え方に惑わされない為
● パニック障害で陥りやすい考えから守る為
です。
ただ、パニック障害者は、とにかく発作を恐れて、発作を理由に、
「あれもだめ、これもだめ」
と、なりやすいです。
ですから、理詰めで、理屈に合う、客観的な考えを練り上げて安心安全を確保していきます。
安心安全を作り出す為に考えて実行していく行為そのものが、発作を起こりにくくしていく良薬になります。
何故なら、発作を恐れ、一方的に発作に呑まれる日々というのは、その日々に合った脳、精神、意識、即ち身体を作っていくからです。
言うなら、パニック発作を起こしやすい体質にしていく負のスパイラルです。
ですから、パニック障害仕様の身体を作り変えるには逆の意識と行動を積み重ねる必要があります。
何もしないでいると、
「私は何もできない」
「私は何もしない」
「私はなすがまま」
「私は発作には抗えない」
「私は発作にやられる」
「あれもこれもできない」
「あれもこれもしてはいけない」
という様に、どんどん自分で自分を気持ちを負のスパイラルにしていきます。
気持ちが負のスパイラルになると、発作を酷くするスパイラルにはまります。
正に気から病です。
その逆の「気から健康」を導く必要があります。
実際に私が、安心安全の環境をコツコツ、クドクドしていると、
● 1つ1つの発作/逆境を考える様になった
● 一方的に発作に恐れなくなった
● 発作に取り組む様になった
● 何とかする自分だという自意識/自信を積み重ねた
● 発作が起こっても冷静に対処できる時が増えた
という道のりを歩んでいく様になっていきました。
一歩一歩の牛歩でしたが、やり続けて良かったです。
仕事では、発作の事を誰にも打ち明けられないでしょう。
私もそうでした。
クビになるかもしれませんでしたから。
でも、例えば、電車に乗る訓練などの私生活なら、事情を打ち明けて、付き添いを誰かに頼める可能性があります。
発作を克服してみて解りましたが、人間関係は、発作の引き金にもなり、発作を克服していく鍵にもなります。
そして、パニック障害の症状として、人に好かれない、見捨てられる思いを異常に持ちます。
ですから、孤独感の中で発作におおわれていくです。
だからこそ、人との触れ合いは、発作の引き金を解消していく要です。
人間関係をやり直す事も、暴露療法の環境を整える事になります。
何故なら、健常者もですが、人との繋がりを感じられたり、信じられるので、安心感、信頼感、冷静さ、積極的な考え方を生み出せます。
暴露療法の環境を一つ一つ整えていく作業が、自分への意識を変えていきます。
「ただ発作に呑まれる人ではない」
「やれば出来る」
「発作をコントロールする人」
その結果、自分で、
1️⃣ 自己信頼感(自信)
2️⃣ 自己承認感
3️⃣ 自己肯定感
4️⃣ 自己重要感
5️⃣ 安心安全感
6️⃣ 自分以外への信頼感
を高めていけます。
これらは、パニック障害の方々に大きく欠けるものです。
欠けるものを埋めていく作業が、暴露療法の環境を整える事であり、発作を乗り越えていく作業です。
性格や考え方等の人となりそのものを変えながら、脳と精神、身体を変えていき、発作を乗り越えていきます。
私も、1️⃣~6️⃣が最悪だったので、発作を起こし続けていました。
でも、意図せず暴露療法の環境を整え続けていたら、意図せず1️⃣~6️⃣を育て直していました。
だから、今、私は、発作を起こしません。
意識への働きかけで脳や精神などの身体そのものを変えていきながら、発作を乗り越えていきます。
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