境界性パーソナリティ障害は、躁病や躁状態の様な時があります。
しかし、境界性パーソナリティ障害と躁と明らかに分かれる点は、ポジティブ的でもネガティブ的でも、人間関係に限定する所です。
境界性パーソナリティ障害には、マシンガンの様な人当たりを症状があります。
一見すると躁っぽいですが、双極性障害で起こる躁状態の様に、うつ状態と交互に訪れるモノではありません。
また、気持ちがハイになったり暴走するのは、人との関係においてです。
対面のやり取りという意味では、
- 今目の前にいる直接対面
- 音や動画を通した音声電話、ビデオ電話
- 間接的な対面という意味では、メールやSNSなどの文字や写真などのネットワーク通信、郵便配達の手紙
といったもので起こります。
そして、押えなければならないポイントは、目の前に誰もいなくても、本人にとっての特定の人とたった今対面していなくても、想像(妄想)や突発的な思い付きによって気持ちが暴走します。
例えば、
- 本当かどうか分からない事を本当に起こるかのように、高い確率で起こるかの様に感づいて考えながら気持ちが暴走する。
- 自分が誰かにやった事を突然異常に後悔して狂おしくなる。
という風なモノがあります。
勿論、この様な状態は境界性パーソナリティ障害を克服した私自身、そしてクライアントさん、ブログの読者さんという私の身近な方々が体験しています。
この様にすべてにおいて自分自身との事も含めた対人関係が原因で起こるところが、躁と違う処です。
(躁状態も、対人関係が原因で気分がハイになる症状はありますが、対人関係以外の事でも気分がハイになります。)
気持ち的には、
- 偉くなった感じ
- 勝つ感じ
- 自分が正しい感じ
- 誰かを見下す感じ
というモノです。
また、どんな人間関係かというと、下記の様なモノがあります。
- 相手のミスや自分の得意な事等、自分が発揮できる場面
- 妄想、想像、予想など、想いの中での人間関係
この症状が起こる気持ちの背景には、次の事があります。
- 物事をゼロか百で判断
- 気持ちを出せる時を見計らう感覚
上の 1. と 2. を大まかに説明すると、下の様になります。
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- 物事の善悪などの区別をキッチリ分ける等、
融通が効かない境界性パーソナリティ障害特有の人格です。 - 下の①②は、境界性パーソナリティ障害になる原因、
そしてなった後も引き続いて起こる事です。
① 気持ちや言動を押さえ付けられたり、自分で押さえ付ける。
② ①の記憶と感情が溜まり続けている。
その為、気持ちを出せる時を、ここぞとばかりにキャッチし、
快活さ、嬉しさ、正義感等の一見ポジティブな感覚に酔う様な感覚になります。
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ポジティブとネガティブに分けるなら、一見ポジティブに見えるこの様な境界性パーソナリティ障害の特徴は、躁の様に、人間関係を悪くします。
私もいくつ悪くしたか解りません。
「自分が正しい」
「自分の出番」
多くはこんな気持ちになり、徹底的に気持ちを押し通すので、エスカレートしやすく、本人は気付きにくいです。
しかし、私にも何度もありますが、正義感を振りかざしてやっている最中に、
「仲をこじらせた」
と自覚できる時があります。
自分の振る舞いの過度や異常さに気付く可能性はあるのです。
ただ、気付いた時からその事に気を揉んで、うつ病の様にかなり落ち込みます。
双極性障害みたいですね。
境界性パーソナリティ障害は、
- 自己肯定感が低い
- 自己受容感が低い
- 自己重要感が低い
- 自己嫌悪感が高い
- 自己否定感が高い
という性質があります。
ですから、物事を重箱の隅を楊枝でほじくる様に、イチイチ気にして落ち込みます。
その結果、過去の事の一つ一つの場面を、自分が悪い理由を付けて落ち込み、自分を責めます。
だから余計に一見ポジティブな極端過ぎる善悪判断や自分らしさが出せる時に反応し易くなり、陶酔し易くなります。
負のスパイラルですね。
もう1つの躁っぽい反応は、『見捨てられ不安』です。
こちらは、ネガティブな気持ちです。
- 自分が不利になった時
- 関係がこじれる時
- 関係がこじれそうな時
- 関係がこじれた時関係に不安がある時
この様に、人との関係が悪い、自分が悪い状況に反応します。
基本的な見捨てられ不安の心情は、
- 人と良い仲になれない
- 人と良い仲を続けられない
- 最初から、または途中から嫌われる
というモノです。
故に、境界性パーソナリティ障害の方は
- 孤独感
- 隔絶感
- 孤立無援感
というモノを、多くの時間に持っており、不安、恐怖、絶望に苛まれます。
酷いと、究極の絶望や自分が終わった感覚を感じて、狂乱します。
狂乱すると、
- 他殺
- 他傷
- 自殺
- 自傷
という風に自分や他人を傷付ける事もします。
自分や他人を殺傷する以外に、
- ストーカーなどの付きまとい
- 過度な問い詰め、要求。
- 関係の不安や恐怖の過度な表現。
といった形で人に対する症状が出ます。
ちょっとした心の動揺さえ過剰にしてしまうので、主に下記の関係の人達に対して、異常な、強烈な言動をしてしまう事が多く、関係をこじらせたり、壊したりします。
- 恋人やパートナーなどの親密な仲の人
- 仕事や趣味、カウンセラーなどの自分にとって大切な人や命運を握る人
何故なら、境界性パーソナリティ障害の方は、基本的に、
- 安心安全感、信頼感がない人間関係
- 不安定な人間関係
についての体験と記憶、感情ばかりが積み重なっているからです。
ですから、大切な人間関係になる程、強い症状が出ます。
また、会社、学校、趣味のコミュニティ、社会そのものなど、自分が関わるグループにも症状が現れます。
孤立無援な気持ちや、誰かにした自分の言動に対して悪い事をしたのではないかという気持ちに苛まれるのです。
余りにも絶望感が強いと、時には自殺や自傷等の自己破壊を伴う無差別殺傷事件を起こします。
健常者もですが、自分が他人や集団に受け入れられないという体験、記憶、感情、自己評価が強烈なほど、自己否定や他人否定が強烈になります。
自己否定と他人否定が強烈なので、自己破壊と他者破壊の両方、または片方を起こす可能性を高めます。
自分を守ったり活かしたりすること無く、他人に何かを働きかけるのです。
また、不安、恐怖、絶望が強過ぎる事、それらに強く反応する心身や病状になってしまっているので、他人等の自分以外のモノに気を遣う余裕がありません。
人は窮地に陥った時は、他人を差し置いた事をしてしまう事がありますよね?
境界性パーソナリティ障害は、自分自身との絆と自分以外との絆に大きな支障があり過ぎた為になってしまいます。
その結果、偽り、妄想、極端なポジティブとネガティブが生まれます。
このポジティブとネガティブが、
- 自分自身との絆
- 自分以外との絆
の両方を破壊してしまいます。
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