境界性パーソナリティ障害の性格には、
「ゼロ百思考」
というモノがあります。
善悪や持論がハッキリしていて固持します。
特に
「正しい、間違ってる」
についての判断をハッキリさせます。
何故なのか?
簡単に言えば、敵味方を分ける為です。
ですから、正義感の気持ちの時もありますが、正義感とは違います。
何故キッチリ敵味方を分けるのか?
それは、長年、他人、特に親から
- 過干渉
- 否定
- 虐待
などのどれか、または全部を受けてきたからです。
ですから、正しさをハッキリさせて固持する事は、身を守る為の防御策です。
成長していくと、学校や職場など、親以外の人達と社会と触れ合っていきます。
身を守る為に、正しさをハッキリ打ち出して、社会で出会う人達を善悪に分けていきます。
分ければ分ける程、分ける症状が酷くなっていきます。
何故なら警戒心が増していき、過敏に反応していく様になるからです。
ですから、個人としての他人と集団としてのコミュニティや社会に対して、怒り、悲しみ、絶望を高めていき易いです。
その結果、自分の正しさに合わない人や、コミュニティ、物事に対して、逆上する時が出てきます。
それも、手がつけられない程、暴れ狂う事も珍しくありません。
本人は、
「絶対に自分は正しくて相手が間違ってる」
と、信じ込んでいるので、諭す事はとても困難、または無理です。
特にキッチリ理論武装するタイプの場合は、理屈が通っている時があるので、相手が言い返せない時があります。
言い返せないどころか、逆に手痛いしっぺ返しをくらいます。
コテパンに論破されるならまだしも、一方的な暴言を浴びせられたりもします。
何とかして、
- 相手に打ち勝とう
- 相手を説得しよう
- 相手に正しさを解らせよう
- 相手に正しさを証明しよう
とします。
本能が生き残る為にやっているので、必死なのです。
それだけならまだマシで、殺傷事件になる事もあります。
生き残る本能が暴走してしまうんですね。
世間で起きている殺傷事件の犯人や容疑者に、境界性パーソナリティ障害を患っている事があるのは、精神や意識が暴走の域に入っているからです。
このゼロ百思考が元になって言葉や振る舞いが激しくなるケースには、夫婦間や恋人間など、親密な間柄、信頼関係が強い間柄で起こりやすいです。
その理由は、次の様になります。
境界性パーソナリティ障害の方は、
- 今迄の人生では自分が受け入れられなかった記憶と感情が積み重なっている。
- その記憶と感情の為に
「自分は他人から受け入れられない」
というセルフイメージがある。 - 上に書いた記憶と感情、セルフイメージが病気のレベル。
という点があります。
その為、夫や妻、彼氏や彼女などの特別な関係であり、自分に親身な言葉や振る舞いをしてくれる人に対して、極度の信頼感や安心感を持ちます。
しかし、相手に対して信頼感や安心感を持ちながらも、
「いつ、裏切られるだろう、捨てられるだろう?」
という不安や恐怖も湧く時があります。
ですから、生活の中で不定期に、不安や恐怖に苛まれ、緊張し、安らぎません。
この不安や恐怖が見捨てられ不安の症状の1つです。
正しさに合わないと思う事や裏切りだと思う事が相手から出てくると、心のよりどころの相手なので、余計に気持ちが暴走して、言葉も行動も過激になります。
本当に相手が、
- 裏切っているかどうか
- 間違っているかどうか
ではなく、境界性パーソナリティ障害の方自身の受け取り方次第になります。
無差別に起こす殺傷事件も、自分が正しくて、
- 直接関係が無い誰か
- 通りすがり誰か
- 社会や会社などのコミュニティ
に対して、
- 間違っている
- 自分が悪く扱われている
という想いが溜まりに溜まってやってしまうパターンがあります。
不特定な相手にまでなってくると、間違いを正したり自己防衛というよりも、
「自分はいつも不条理にさらされている、攻撃されている。」
という気持ちが溜まり過ぎて、自制がきかないレベルまでいっている場合があります。
いつも阻害されてきた気持ちが強いので、
- 自己肯定感が低過ぎます。
- 自己否定感が高過ぎます。
だから、
- 自分を守ろうとする気持ちも失せてしまいます。
- 自暴自棄や自己破壊欲求も出てきます。
その結果、事件になる大事まで起こしてしまう事があるのです。
境界性パーソナリティ障害は、愛着障害と並んで、
『絆の病』
と、言われます。
- 他人を含む自分以外との絆
- 自分自身との絆
親等の自分の存在価値を確立する根幹的な相手から阻害されてきた記憶と感情が、自分の価値を下げ、自分との繋がりが無くなります。
親等の親密な人間関係が損なわれ続けた積み重ねが、親以外の他人との繋がりを損なわせます。
その為に、自分を守る為に身に付けてきた、「善悪の基準」と、基準の固持。
たとえ理屈が通っていても、自分目線でしか見れないので、融通がきかず、超極端な頑固になり、大鉈を振るって何でも裁きます。
たとえ、他人がわざとやってなくても、事情があっても、多様な考え方や情状酌量など出来ません。
人は、生きれば生きる程、他人とコミュニティと関わり続けます。
ですから、境界性パーソナリティ障害の方の場合、小さな事でも自分の基準に合わない事に過敏に過剰に反応していく様になります。
ある意味、
『ずっと戦時下の緊張状態』
なのです。
誰でもですが、緊張が続くと、警戒する範囲と度合を増やしていきますよね?
警戒しながら、事態を見極め、何事も無くてホッと安心しても、また警戒する事の繰り返しになりませんか?
益々、絆を壊す事を繰り返し、自滅していく悲しく寂しい精神疾患が、境界性パーソナリティ障害です。
愛着障害と同じで、境界性パーソナリティ障害を改善していき易い方法は、薬漬けにしない心理療法を使う精神科医やカウンセラー等の精神心理を生業とする人との間に、治療やカウンセリングの期間限定で愛着形成と安全基地の構築をします。
期間限定といっても、愛着形成と安全基地の構築は、生半可な気持ちや間柄ではできません。
基本的に、親子間やパートナー間などの切っても切れない大切な人との間で創り上げられる信頼を元にした大切な関係だからです。
ですから、たとえ、治療期間やカウンセリング期間が終わった後でも、固い絆や信頼関係が残り、患者さんやクライアントさんは、相手を慕う気持ちや、感謝の念を抱き続ける事は少なくありません。
私も、私の精神心理や精神疾患の改善に尽くして頂いた方々に対して、慕う気持ち、尊敬や感謝の気持ちを持ち続けています。
強い信頼関係を土台にして、心理療法やカウンセリング技術を使いながら意識のあり方を変えていきます。
今回のテーマで言えば、ゼロ百思考の改善ですね。
実生活では、自分自身との絆と自分以外との絆を結び直していき、失敗や逆境に出くわしたら、導いてくれる方と築いた安全基地に戻って、心を癒し、新しい知恵や知識を得て、また実生活へ戻ってチャレンジする事を繰り返します。
精神心理や境界性パーソナリティ障害の改善と絆の再構築を進め、いずれは導いてくれる方との間に築いた安全基地を卒業し、自分で創り上げてきた、これから創り上げていく人間関係の中へと自立していきます。
親から自立していく作業のやり直しの様なモノです。
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